女優で劇作家のナオミ(中原翔子)はある謎めいた失踪事件を題材に芝居を書こうとしていた。
ナオミは一夏借りた山荘で、かつて自分の夫を奪った女優ミズキ(河野知美)を呼び寄せ、芝居の稽古を始める。マネージャーの大牟田(横井翔二郎)と共に山荘を訪れたミズキは屋敷に不吉な気配を感じた。
ミズキが演じるのは、家の庭先で母親が消滅するのを目撃した娘の役だった。母親が消えた地面には黒い焦げ跡が残っていたという。
しかも娘は数年後、母親が失踪した日に何者かに殺されている。ナオミの解釈は、娘の話は嘘で、彼女が母親を殺し、その命日に母親の霊に報復されたというものだった。
ミズキはこの山荘こそが事件が起きた現場ではないかと疑う。稽古が進むにつれ、ミズキはかつて自分が母に抱いた殺意を役に重ね合わせるようになり、錯乱状態に陥る。
夢の中に謎の真紅のドレスが現れ、ミズキは少女時代の母との思い出に遡ってゆく。翌朝、ミズキは庭でナオミや大牟田と儀式を行う母の姿を見て驚愕する。地面には娘が話していた黒い焦げ跡も出現していた…。